加速する植物工場

健康な食生活に欠かせないのが、野菜ですね。
その野菜の市場がは今大きく進化している。

元気をなくしていた農業がいま、若者を中心に世間から注目を集め始めています。加えて、企業の進出も活発な様子。どんな企業が野菜を作っているのか調べてみると、大手食品関連メーカーの名前が見つかります。そんななか、ちょっと異色な「JFEライフ」という企業名を発見。ん? JFEって、鉄鋼関連企業ですよね?

「JFEライフはJFEの総合サービス会社です。鉄冷えといわれた1980年代に異業種への拡大でいろいろな事業を行ったのですが、その際、ウナギやテラピアの養殖といった食品分野にも進出しています。その一環で野菜づくりもスタートしました。現在は、兵庫・三田に1つ、茨城・土浦に3つ、計4つの植物工場で野菜の“製造”をしています」

そう答えてくれたのは、JFEライフ・野菜事業部営業部長の川崎海さん。“エコ作”のブランド名で5種類のリーフレタスを栽培しているそう。

具体的に、どんなふうに“製造”しているんですか?

「一般に植物工場は土を使わない水耕栽培で、光源には蛍光灯、高圧ナトリウムなどがありますが、当社の場合はガラス張りの建物のなかで太陽光栽培をしています。水耕栽培の野菜というと、なよなよして栄養価が低いイメージがあるかもしれませんね。でも、ミネラル成分のほか窒素・リン酸・カリといった栽培に欠かせない栄養素をバランス良く添加した養液で栽培するので、天日と土で栽培する露地野菜と比べて栄養価が高いものもあります」

JFEライフでも、養液をいい状態で根が吸い上げるよう研究を重ねてきた結果、ベータカロチンやビタミンAが露地栽培のレタスの5~10倍にもなったといいます。“エコ作”を食べてみると、葉もシッカリしていて野菜の味も濃い! これなら、植物工場生まれの野菜も市場でバッチリ支持されるでしょう!
「我が社の場合、年間約800万パックを生産し、売り上げでは2008年度に8億円強、2009年度に11億円を見込んでいます。都内デパートではプライベートブランドとして扱っていただいているほか、全国の大手小売店、百貨店などにも置いていただいて販路を増やしています」

売り上げと販路を確保するには、しっかりしたマーケティングが必須とのこと。メーカーであれば当たり前のことではありますが、その当たり前を行ってこそ農業もビジネスとして成り立つというわけですね。
ちなみに、JFEライフでは今後、マーケティングに基づく新商品の投入を年に1~2品種程度行っていくとのことで、この5月には、サラダ用ミズナとホウレンソウが陳列棚に並ぶ予定なんだそうです。

全国に50社程度あるといわれる植物工場企業は、地域雇用の創出だけでなく、食料自給率アップへの貢献も期待されています。農林水産省と経済産業省も今年、「3年後に150社まで増やす」という計画を打ち出しました。
でも現状は、企業が農地を買うことは許されていないため、建築基準法にのっとった大がかりな施設で栽培するしかありません。当然、露地野菜より割高になって普及にブレーキがかかる可能性も…。こういった企業の試みが今後どれだけ成長するかどうかは、国の本格的な枠組み作りにかかっている、といえそうです。

Posted by ニコちゃん at 2009年05月18日13:33